「親知らずは抜くべき?残すべき?」という記事で解説したとおり、親知らずがトラブルを起こしている場合、
もしくは将来的にトラブルを招くリスクが高い場合は、抜歯を検討することになります。
しかし、いざ抜くとなると誰でも不安になるものです。
親知らずは、「抜いた後に腫れる」「麻酔が切れた後が痛い」といったイメージが先行するため、
ためらってしまう方も少なくありませんが、歯医者さんで抜いたほうがいいと診断されたら、
できるだけ早めに抜歯したほうが賢明です。
今回は、これから親知らずの抜歯を検討している方に、事前に知っておいていただきたい注意点などをお伝えします。
親知らずの抜歯は痛い!?
親知らずは斜めや横向きに生えていることも多くありますし、お口のいちばん奥にあるため、
治療器具が入りにくいケースもあります。
そのため、他の歯に比べると抜きにくく、抜歯が終わるまでに時間もかかります。
とはいえ、基本的には局所麻酔を用いるため、手術中の痛みはほとんどないとお考えください。
抜歯技術も日々進歩していますので、術中の痛みを心配することはありません。
抜歯後の症状と注意点
抜歯そのものは、痛みを伴う手術ではありません。
ただし、術後は個人差はあるものの、痛みや腫れが出てきます。
たとえば、親知らずが特殊な生え方をしている場合や、完全に歯茎のなかに埋まっている場合などは、
歯茎を切開して抜歯することもありますが、特にこのような場合は、どうしても痛んだり腫れたりしやすくなります。
親知らずの抜歯後は以下のような症状が出ることがありますが、
患者様ご自身でも注意点を守って適切な処置を行えば、
スムーズに回復を促すことができますので、ぜひ押さえておいてください。
ガーゼを噛んで止血する
親知らずを抜歯すると、歯が生えていた部分に穴が空きますが、
この穴に血餅(ゼリー状のかさぶた)ができるまでは出血しやすい状態にあります。
抜歯後しばらくは、清潔なガーゼをしっかり噛んで圧迫して止血してください。
また、飲酒や激しい運動、長時間の入浴など、血行がよくなる行為は出血を促してしまいますので、
抜歯当日は控えるようにしましょう。
抜歯してできた穴を触らない
出血が気になって、親知らずを抜いてできた穴を舌で触ってしまう人がいますが、これはNGです。
穴をふさぐ役割をする血餅が取れて、さらに出血する原因となってしまいます。
また、何度もうがいをするのもいけません。
うがいによっても、血餅が剥がれてしまうことがあるからです。
血餅が取れると治癒が遅れるだけでなく、傷口から細菌感染して炎症を起こすリスクもあります。
痛みがある場合は鎮痛剤を
親知らずの抜歯後、麻酔が切れると痛みが出てくることがあります。
その際は、痛み止めの薬を歯医者さんに指示されたとおりに飲むようにしてください。
通常であれば、3日~1週間ほどで痛みはなくなっていきますので、必要以上に心配することはありません。
腫れがある場合は軽く冷やす
親知らずの抜歯後、頬や歯茎が腫れることがあります。
腫れた場合は、頬に冷却ジェルシートなどを貼って軽く冷やしてください。
ただし、冷やしすぎはNGです。血行が悪くなり、かえって治りにくくなってしまいます。
通常であれば、3日~1週間ほどで腫れは収まっていきますので、必要以上に心配することはありません。
親知らずを抜いた後は、完全に落ち着くまでには時間がかかります。抜歯後の穴がふさがるまでには、3ヶ月~半年程度かかることもあります。痛みや腫れがなかなか引かないなど異変を感じたら、できるだけ早めに抜歯した歯医者さんに行くようにしましょう。 |